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27企業風土まずはお客さんの顔を覚えるところから平成28年6月から、入社23年目の村上と新入社員の千葉は2人1組で小型船の営業を担当することになった。村上「いま(12月)だと、サンマ漁がちょうど切り上げの時期。千葉君にも手伝ってもらいながら、サンマ漁の漁撈機械の設備を預かって点検修理しつつ、次にやってくる漁に備えて商売の準備。あとは、漁撈機械の設備取り付け(艤装)作業のお手伝いですかね。それが落ち着いたら、漁具を納品していきます。」村上「スーツ着て、ネクタイ締めて、というような堅苦しい商談みたいなのは全くないです。お客さんの作業のお手伝いをしながら、世間話もしながら、その中で『あれ、また頼むね』と注文をいただくようなことがほとんどですね。」村上「最初はまずお客さんの顔を覚えるところから始まります。岩手県、宮城県で得意先が50〜60件はある。彼が入ってから半年でもう8割くらいは回ったかな。千葉君も少しずつ覚えてきました。頻繁に伺うお客さんのところでは、千葉君と声をかけられることも増えてきましたね。私一人で行くと、『あれ?今日千葉君は?』って言われたりする(笑)。お客さんからすると、自分たちの孫・子どもの世代。あたたかい目で見てくれているんだと思います。」千葉「人見知りなので、なかなか自分を出せなくて。村上さんを見ていると、すごいなと圧倒されっぱなしです。普段面白いこと言ったり、ふざけてばかりいるのに、お客さんの前ではどんなことを聞かれてもすぐに受け答えする。漁具などの知識もすごくて、何でも詳しい。自分はまだ何もわからない状態なので、村上さんとお客さんとの会話にもなかなかついていくことができなくて。」村上「全然たいした話はしてないんですけどね。まぁ、知識も経験もすぐに身に付いてくるものでもないから、焦らずにひとつひとつ身に付けていってもらいたいですね。」段取り力と愛され力普段お互いのことについて話すことはないという2人。照れながらも、村上が千葉のことについて話し始める。村上「正直同じことを何回も教えたりはしないけど、千葉君は、私の作業を見て、話を聞いて、1回で覚える。すぐに行動に移す。そこがすごいですね。『次これやっぞ』というと、もう準備を始めてる。覚えがいい。」千葉「何回も見て、覚えるようにはしています。」村上「最初彼に会った時は、いまどきのチャラチャラしたお兄ちゃんっていう印象。正直、長続きするの

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