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31タコカゴカゴのなかにエサとなるサンマなどを刺してセットしておき、海に沈め、タコやつぶ貝を獲るために使用。タコがエサを見つけて中に入っていくが、「あれ?エサが取れない?」となってそのまま出れなくなるようになっています。カゴ自体はどんな風に転がっても元に戻るようにできています。ひとつひとつ手作業で作られますが、熟練の腕が必要です。カキ養殖カゴ一粒ガキの養殖で使うオーストラリア製のカゴ。小さいカキを入れておきます。干潟に杭を立てロープを張ったところに吊るして使用。満潮時には海中に沈み、干潮時には海面で干上がった状態になります。カキは生命力が強くて、24時間水に使ってなくても平気。干上がってくると生命の危機を感じて身が縮む。それが身を甘くします。水に浸かると今度はプランクトンをたくさん食べて太る。それを繰り返しながら育てていきます。ただ、三陸には干潟がないため、そのままの方式では使えません。潮の流れで揺らすことはできるので、うまく使えないか実験中。これが成功すれば、オイスターバーに出荷できるおいしいカキが生産できます。スチロバール養殖イカダの下に設置して浮力を出すもの。イカダの大きさにもよりますが、小さなイカダでも10個程度、大きなイカダなら20個程度は付けます。タマネギ袋ホタテの浮遊幼生(ラバー)を採取する「採苗」に使用。ネトロンネットという硬いポリエチレンの網をかさばらせるようにして入れて、ボワって膨らんだ状態で養殖イカダの下にぶら下げておきます。ふくらませるのは稚貝がたくさん入るようにするため。そこに放出された浮遊幼生が付着し、稚貝に成長します。通称「タマネギ袋」。その昔、タマネギを入れていた袋を使っていたのだとか。農業用品を転用している漁具は意外に多かったりします。パールネット選別板で選別したホタテの稚貝を、今度はパールネットと呼ばれるかごの中に入れます。そして、養殖イカダから海中に吊るす。ある程度の大きさにまで成長したら、またかごごと引きあげてさらに選別を行ない、ネットに入れ、ホタテ半生貝を育てて行くのです。水鏡海中でウニやアワビなどを探すために使う道具。内側のマウスピースのような箇所を噛んで固定し、片手で竿を持って、片手で船を操縦。メガネを着けたままでもかぶれるように、目のあたりにくぼみの付いた仕様のものもあります。選別板採苗器から取り出したホタテの稚貝を木枠にはめた選別板を使い、揺すってふるいにかけ、小さい稚貝、他の貝、雑物などを取り除きます。穴の大きさは8mmぐらいからあり、成長段階によって使い分けます。具おすそ分けコレクションサンマトマトワカメとれたての魚介類をはじめ、漁師さんからはいつも、いろんなものをおすそ分けいただきます。8月中旬になるとサンマ漁が解禁。大型船が一斉に北の海へと出漁します。気仙沼に水揚げされる時期がやってくると、漁業用のカゴにどっさりと入って”おすそ分け”が回ってきます。三陸の漁師さんはいわゆる半農半漁。漁業に勤しむ傍らで畑もやっている方が多いんです。夏になると、スーパーの袋にこれでもかと詰め込まれた大量のトマトをいただく機会が多くなります。肉厚でおいしい三陸のワカメのなかでも、特においしいのが冬の間引きワカメ。生育をよくするために間引きした若いワカメは、茎まで柔らかく、しゃぶしゃぶにすると最高なんです。

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