6漁具の知識は、信頼のモト「普段は頼むものが決まってるから、『あのテグス持ってきて』ぐらいしか話さないかも」という佐々木さん。しかし、西城はそのままに行動しない。「その注文には、テグスと一緒に使う資材も一緒に用意してね、っていう意味が込められてるんです。でも、ただ用意するだけじゃダメ。その船で使う規格、種類、サイズを把握した上で用意しないといけません。ナイロンテグスひとつをとっても、太さは何号〜何十号とさまざま。同じものを使っていても、船で長さや色が変わってくるから、それも頭に入れておきます。一緒に使う金具や機械のことも覚えました。商談で別の資材のことを聞かれても、ちゃんと対応できますから。漁具の知識があれば『ナイロンテグスはテトロンより軽いから、一緒に使う金具は重いものがいいですよ』と言えるようになる。漁師さんから、アサヤに任せるわって言ってもらえるチャンスが増えるんです。相手が必要としているものを的確に持っていくには、やっぱり漁具の知識が不可欠ですね。」「このままのアサヤでいて欲しい」それが最大の褒め言葉「出港したあと、船は無線でお互いと連絡しあっています。漁師のネットワークを通じて、仲間に情報が広がっていきます。アサヤの西城君に聞けばわかるよという話も伝わっているので、急に知らない番号から電話がかかってくることもありますよ。『この番号、誰?』って毎回驚きますけど(笑)。」アサヤの営業担当の名前が知らない間に広まっていく。「機械の修理でしかお付き合いがなかった漁師さんからも漁具の依頼が来るようになったんです。あの船から聞いたんだけどさ…ってやり取りから始まって。今では大切な取引先になりました。」営業の30年選手として働く西城の姿を、船長はこう評価する。「西城さんは、どんな仕事をお願いしても、わからないということがないんです。昔、縄を水中にいれる投縄という作業で使う機械の修理をお願いしたことがありました。古い機械だったので取り扱っているところが少ないんです。でも西城さんは、いろんな人に連絡を取って、最後にはしっかりと手配してくれました。アサヤになくてもなんとかしてくれるっていうのを毎回の仕事で実感させてくれる。それがアサヤさんと取引する一番の理由です。これからのアサヤさんにさらに期待したいこと?どうだろう?だって、今がすごいんだから。このままをぜひ維持してほしいですね。」遠洋マグロ船の出港前には、インドネシア人の漁師との飲み会が開かれることも。「今は違う船に乗ってても、まだ連絡を取ってる人、結構いますよ。」と西城。佐々木裕之有限会社新徳丸漁業 代表取締役。アサヤには漁具の発注だけでなく、漁船で使う機械の修理や船の塗装もご依頼いただいている。畠山正明遠洋マグロはえ縄漁業を中心に行っている山代水産株式会社の代表取締役。営業担当の西城とは同い年。西城孝幸昭和58年アサヤ入社。現在、気仙沼本社 営業1部 部長。35年に渡り漁船部門を担当している。出船中は、船と港をつなぐはしごを預かることも。「漁具以外でも、ちょっとしたことを頼みやすいのがアサヤさんのいいところだよね。」
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