「経営の数だけ答えがある」グランプリ受賞のご報告



こんにちは。アサヤ株式会社の廣野です。

この度、エヌエヌ生命保険様が主催している、
「経営の数だけ答えがある」というコンテストにて、
アサヤ株式会社がグランプリを受賞させていただきました。

グランプリ3社が決定!「経営の数だけ答えがある」ストーリー審査会[PR] DIALOG 日本の未来を語ろう:朝日新聞デジタル

グランプリに選ばれた副賞として、
プロの制作陣が気仙沼に来てくれて、インタビュー動画を撮影していただき、
フリーアナウンサーの木佐彩子さんと対談させていただく機会もいただきました。

  

対談記事とインタビュー動画はこちらからご覧いただけます。

対談記事

未来を描くストーリーは、創業時の理念が教えてくれた江戸時代から三陸の漁民の利益に貢献する「アサヤ株式会社」 DIALOG 日本の未来を語ろう:朝日新聞デジタル

未来を描くストーリーは、創業時の理念が教えてくれた江戸時代から三陸の漁民の利益に貢献する「アサヤ株式会社」

インタビュー動画

ちなみに、エヌエヌ生命保険様は「中小企業サポーター」をキャッチフレーズに、
法人向け事業保険などを扱っており、このコンテストを通じて、
中小企業経営者のストーリーを社会に伝えることを目的にしています。

このコンテストの存在を知ったのは、知り合いからの紹介だったのですが、
私自身、まだ経営者としての経験が浅く、本当の苦労は経験していない状態。
それでも、後継者として自信がないながらも経営に向き合っている、というストーリーが、
同じ世代の経営者に届けばいいなと思い、応募してみた次第です。

応募した文面自体は表に出ないようだったので、こちらに転載してみます。
等身大の思いを綴った形ですが、よかったら合わせてご覧ください。

Q. 経営で困難に直面したことはありますか?

 

アサヤ株式会社は1850年創業の漁具屋です。三陸全域を商圏とし、「漁民の利益につながる、よい漁具を」の理念を守ってきました。東日本大震災では甚大な被害を蒙りましたが、全国からのご支援や社員の必死の頑張りにより、今も復興に向けて歩んでいます。

 

私が苦しかったのは、復興に当事者として関われなかったことです。当時、私は東京で働いていて、住まいが確保できないことを言い訳に、戻る決断ができませんでした。その後、瓦礫の撤去が進んでいく地元を見て焦りを感じ、2014年12月に気仙沼へ帰郷しましたが、自分がいたのは畑違いの業界。どう貢献できるのか検討も付かず、企画を考えても的外れな気がして、どう馴染んでいくか非常に悩みました。

 

この状況を乗り越えられたのは、取引先や社員から聞いた昔の出来事、過去の新聞記事などを通じて、「漁民の利益につながる、よい漁具を」という理念に触れ、これを自分も大事にしようと決断したからです。ホームページや名刺に理念を記載するようにし、今後も大事にしていくことを社内向けに明言した結果、社員も安心して迎え入れる雰囲気が生まれ、一体感が感じられるようになりました。

Q. 仕事へのこだわりは何ですか?

 

私は小学校卒業と同時に気仙沼を離れ、中学・高校6年を大阪、大学・社会人14年を東京で過ごしました。就職活動をしている頃には、いつか家業を継ぐために気仙沼へ帰ろう、と考えていましたが、今思うと、どんな仕事をするのか、現在はどんな状況にあるのか、具体的に考えたことはありませんでした。

 

実は、私が気仙沼を離れてからの漁業は、遠洋漁業の200海里規制、マグロ漁船の2割減船、といった時代の変化により、大変な不景気に直面していました。多くの漁業者が廃業・倒産に追い込まれ、周辺の業者もその煽りで連鎖倒産、ということもありました。アサヤも例外ではなく、経営状況が急速に悪化、資金繰りが非常に苦しい状況が続いていたようです。人員整理や拠点縮小にも踏み切らざるを得ませんでした。

 

そんな中、アサヤという会社が存続してこられたのは、決して諦めずに奔走してきた社員の方々、苦しいときはお互い様とご協力いただいた取引先の方々など、周囲を取り巻く全ての方々のおかげです。私の原動力になっているのは、いくら表現しても表現し足りない、そういった方々への感謝の気持ちです。

Q. 一番大切にしていることはなんですか?

 

「漁民の利益につながる、よい漁具を」という理念の通り、アサヤの商売は漁業者ありきです。漁業者が潤って仕事が継続できてはじめて、アサヤは存続できます。

 

実は、アサヤという会社名は元々「麻屋」という漢字で、創業当時、漁業者が釣糸を作るために必要だった麻を内陸部から買い付けて売っていた、ということに由来しています。その後、時代とともに漁業者の漁法も変わり、それに伴って扱う漁具も変遷をたどっていきましたが、本質は一貫して変わりません。漁業者が求める道具を提供する。求められた道具がなければ、取引先と協働して新商品の開発に取り組む。提供した道具の具合が良くなければ、その漁業者にもっと適した道具を探す。

 

そうして、「漁民の利益につながる、よい漁具を」常に追い求めていくことが、これまでも、これからも、アサヤが大事にしていくことです。漁業者を取り巻く環境がどれだけ厳しくなっても、アサヤはこの姿勢を貫き通します。たとえ、他の業者が諦めたとしても、アサヤだけは最後まで諦めずに、三陸の漁業を守ります。三陸の漁業家にとっての真のパートナー、それがアサヤの目指す姿です。